発達障害で生きていく。

ADHD優位のアスペルガーで、LD学習障害もある35歳のおっさんです。息子も遺伝して発達障害です。文献を読み漁り、発達障害は限りなく完治に近い、治すことができると確信しました。このサイトは、治す情報など、発達障害のさまざまな情報を発信していきます。

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こだわりが強すぎる!発達障害のわがままな行動とその対応

      2017/11/29

発達障害を持つ人は、時に人から“わがまま”と捉えられてしまうことがあります。

けれど、決して自己中心的な思いからわがままになっているわけではなく、どうしてもそうなってしまう特性があるのです。

どうして“わがまま”になってしまうのか分かれば、そんなときの対応も分かります。

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発達障害の“わがまま”は自分勝手な気持ちのわがままではない

人を嫌な気持ちにさせるのが好きな人はいるでしょうか。

中にはそういった趣味嗜好がある人もいるのかもしれませんが、多くの人は人に迷惑をかけずに穏やかに暮らしていきたいと願っているはずです。

それは発達障害があっても同じです。

 

ですが、多くの定型発達の人とは違う思考や感覚を持っているが故に、人に迷惑をかけてしまいます。

それは決して自分のことだけを考えるわがままな気持ちからではありません。

発達障害者が周囲から“わがまま”に見えるのは、多くの場合はどうしたらいいかわからない、もしくはそうせざるを得ないのです。

 

ASD(自閉症スペクトラム)の“わがまま”

ASDにはこだわりが強い、人の気持ちを察せないという特性から“わがまま”と思われてしまうことが多いです。

 

自分の決めた順序や物事にこだわる

ASDには一度決めた順序やルールに頑なにこだわる傾向があります。

例えばもっと近い道順があっても最初に通った道を通る、バスや電車などに乗るときは決まった席がある、などです。

 

これは、ASDには繰り返しを好むという特徴があり、いつもと違うことに不安を感じるためです。

無理に順序を変えるとパニックを起こしてしまうこともあります。

 

わがままで自分を押し通しているのではなく、これで心の平穏を保っているのだと理解しましょう。

変更が事前にわかっているときには、あらかじめ説明しておくと納得しやすいです。

 

暗黙のルールがわからない、空気が読めない

ASDははっきりと明示されていないルールを読むのが苦手です。

一般常識と言われていることでも、はっきりと言われたことがないと解っていないことがあります。

 

逆に言えば、きちんと説明すれば理解できるということです。

ただし、曖昧なものは理解できないので、筋道を立てて具体的に説明する必要があります。

 

TPOに合わせた服装が選べない

ASDは同じ服ばかり着ていることが多いです。

これは、いつも同じであることに安心するという理由や、選ぶことが苦手なために着る服を最初から決めている、人からどう見られるかということを気にしないという特性からです。

 

不衛生でだらしなく見える場合には、そのことを根気強く説明して場面に合わせた服装をすることも必要だと少しずつ説得していきましょう。

また、触覚過敏という特性が関係していることもあります。

 

触覚過敏とは、肌に触れる感覚が非常に鋭いことで、違う服だと肌触りが違って気持ち悪く感じることもあるようです。

そうなると、違う服を着せるのはなかなか難しいので、特に不潔な恰好をしているわけでなければ、周りが理解してあげることが大切です。

 

空気が読めない、場にそぐわない行動や人を傷つける発言をしてしまう

まず、ASDの特性の一つに「他者の気持ちを読み取るのが難しい」というものがあります。

通常人は表情や仕草などを読み取りながらコミュニケーションをとっていきます。

 

ASDは表情から人の感情を判断するのが難しく、定型の人と同じように空気を察することができません。

ですが、ASDにだって当たり前に他の人を思いやる気持ちは持っています。

 

ASDは他人の気持ちを考えていないのではなく、考えるための材料が違うと考えた方がよいでしょう。

表情や空気で察してもらおうとするのではなく「こういう時には、こんな行動をしてほしい」「こんなことを言われたら悲しくなるのでやめてほしい」とはっきりと説明することが大事です。

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ADHDの“わがまま”

ADHDが“わがまま”と捉えられてしまうのは衝動が抑えられないことが要因となることが多いです。

 

すぐに感情的になる

ADHDは感情のコントロールが難しいです。

ちょっとしたことですぐにカッとなってしまい、大きな声をあげてしまうこともあります。

これは、衝動を抑えられないというADHDの特性です。

 

後になれば、自分でもどうしてこんな小さなことで怒ってしまったのか、と落ち込むことも多いです。

ADHDが感情的になってしまったときには、一緒に感情的にならずに一度離れて落ち着く時間を与えてください。

 

遅刻が多い

ADHDは時間の見通しが甘く、計画を立てるのが苦手です。

何にどれくらいかかるかという時間の見積もりができず、優先順位がつけられないので効率よく準備をこなしていくことができません。

 

また、忘れ物や失くしものも多いので、出かける直前になって「財布がない」と探し出したり、家を出ても「携帯を忘れた」と戻ってしまって遅刻することも多いです。

急かされることも苦手なので、集合時間を早めにしておいたり、余裕のある時間設定をしておくようにしましょう。

家族や恋人なら、出かける前の準備を一緒にする、ルーティン化しておくように覚えさせるというのも良い方法です。

 

片付けができない

ADHDが片付けができない理由は色々あります。

すぐに気が移ってしまうので、何かやっていたものを途中で放り出して出しっぱなしにしてしまう、後先考えず衝動で物を買ってしまうのでどんどん物が増えていく、片づけようと思っても何から手をつけていいかわからない、などです。

 

まずは要らないものを処分して、物を減らすことから始めましょう。

また、しまう場所をきちんと決めておいて、ラベルを貼っておいたりわかりやすくしておくとよいです。

一時置きBOXを作って、どこに置くかわからないもの、また後で使う予定があるものなどを入れて置くようにするのもよいです。

 

“わがまま”を起こしたときにしてはいけないこと

発達障害者が“わがまま”なことをしたときに、してほしくないことがあります。

対応を間違うといつまでも解決しないばかりか、二次障害を引き起こしてしまうこともあります。

 

大声で怒鳴る

これは、発達障害の人に対して絶対にやってほしくないことです。

普通の人でもそうだと思うのですが、突然怒鳴られると人はパニックを起こします。

 

ASD・ADHDの場合は特に感情のコントロールが下手なので、普通の人以上に気持ちが混乱してしまいます。

すると、ただ「怒鳴られた」という事実だけが強く頭に残り、どうして怒られたのかという理由はわからなくなってしまいます。

 

曖昧な説明や、長々とした説教

発達障害は曖昧なことや言葉の裏の意味などを理解できません。

説明は具体的にはっきりと、できるだけ短い言葉でしましょう。

 

話が長いと集中力が続かないので、最後には何の話だったかわからなくなってしまいます。

視覚的にわかりやすくなるよう、絵や図で説明すると理解しやすいです。

 

“わがまま”と言われ続けると

大人になるまで発達障害がわからなかった人は、小さい頃から周囲に「変わっている」「おかしい」「わがままだ」と言われ続けてきています。

ぼくも子供の頃から「どこか変わっている」と言われ続け、自分でもそう思っていましたが、ずっとなぜだかわかりませんでした。

 

社会人となって会社で働きだすと、どうしても周囲と同じようには働けず「どうしてできないんだ」「やる気がない」「人のことをもっと考えろ」と言われるのが非常に辛かったです。

そして、自分がなぜ他の人と違うのか悩んだ挙句、病院に行くことを決意して診断されたのが発達障害でした。

 

ぼくだけでなく、発達障害を持つ他人たちは、自分が周囲と違うことでとても悩んでいます。

できるのなら、周囲と同じように協力しあって人を嫌な気持ちにさせたくない、とみんな思っています。

 

けれど、発達障害があると周りと同じようにはしたくてもできないのです。

それなのに「わがままだ」「自分勝手だ」と言われ続けると、鬱や不安障害、人格障害などの二次障害を引き起こしてしまいます。

 

発達障害の“わがまま”に理解を

多くの発達障害者は“わがまま”になってしまうことを非常に申し訳なく思っています。

本人もどうしたらいいかわからなくて、困っているのです。

 

具体的な説明ややり方さえわかれば、ぼくたちも“わがまま”にならずにすみます。

周囲からしてみれば、他の人と違う説明や方法が必要というのは面倒くさいことかもしれません。

 

丁寧に付き合ってくれるまではいかなくても「ちょっと考え方が違うんだな」「したくてもできないんだな」と思ってくれるだけでもありがたいです。

“わがまま”だと突き放さずに、そうやって少しだけでも理解してもらえれば幸いです。


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