発達障害で生きていく。

ADHD優位のアスペルガーで、LD学習障害もある35歳のおっさんです。息子も遺伝して発達障害です。文献を読み漁り、発達障害は限りなく完治に近い、治すことができると確信しました。このサイトは、治す情報など、発達障害のさまざまな情報を発信していきます。

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発達障害の定義とは?知らない人に知って欲しい僕たちの障害のこと

      2017/11/17

ぼくが子供の頃には、発達障害という言葉を聞く機会はあまりありませんでした。

現在では発達障害をカミングアウトする芸能人も出てきて、知名度も昔より高くなったと思います。

ですが、まだまだ「聞いたことはあるけれど、詳しくは知らない」という人が多いのが現状です。

 

ぼくたち発達障害者やその周囲の人たちが、社会でストレスなく過ごしていくためには発達障害への理解が不可欠です。

今回は、発達障害の定義とはどういうものなのか、できるだけわかりやすくまとめてみました。

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発達障害の定義

発達障害とは、脳の中枢神経になんらかの機能障害があることで、通常の人とは違う発達の仕方をすることです。

見た目には分かりにくく、「目に見えない障害」と言われることもあります。

発達障害の種類は、主に次の3種類です。

 

・自閉症スペクトラム/ASD(広汎性発達障害/PDD)

・注意欠如多動性障害/ADHD

・学習障害/LD

 

ASD、LD、ADHD、どれも脳の中枢神経系に何らかの機能障害があるとして同じ「発達障害」としてまとめらていますが、その症状は様々です。

共通している点もあれば、明らかに異なる部分もあり、多数を併発している人も多いです。

文部科学省による発達障害の定義には“通常低年齢において発現する”と書いてあります。

発達障害はほぼ先天的なもので、子供の頃から症状があります。

 

ですが、幼い頃にはその特性は幼い子供なら当たり前にあるものも多く、見分けを付けるのは難しいです。

そのため、大人になってから発達障害が発覚するケースもかなり多くあります。

ぼくも、自分が発達障害だと知ったのは20代になってからでした。

 

ちなみに、発達障害ではない人のことは定型発達と呼びます。

ではここからは、3つの発達障害についてそれぞれ詳しく説明していきます。

 

自閉症スペクトラム(ASD)

広汎性発達障害(PDD)と呼ばれることもあります。

以前は広汎性発達障害(PDD)の方が一般的な呼び名でしたが、2013年からはアメリカ精神医学会により「自閉症スペクトラム(ASD)」と呼ばれるようになりました。

 

スペクトラムとは虹の色のように、境界が曖昧で連続した集合体という意味です。

広汎性発達障害には自閉症、アスペルガー症候群(高機能自閉症)、レット症候群などの種類があります。

 

これらそれぞれを別の障害として扱っていたものを、一つの連続した症状として扱おうということで自閉症スペクトラムという名前がつきました。

ASDは知的障害がある重度から、知的には発達の遅れは見られない軽度まであります。

共通するのは「社会的コミュニケーションの障害」と「感覚過敏や鈍麻が原因であることも含む“こだわり”があるという2つです。

 

社会的コミュニケーションの障害とは

ASDはその特性により、定型発達の人とコミュニケーションがとりにくい場合があります。

 

・人と目を合わせられない

・言葉の意味をそのままとらえる

・他人の表情を読み取れず、空気が読めない

・曖昧なことが苦手、具体的ではっきりしたことでないと理解できない

・他者が考えていることを想像できない

・思ったことはそのまま口に出してしまう

・何度も同じことを言う

 

などが、コミュニケーションがとりにくく、相手から「自分勝手で思いやりがない」などと誤解されてしまう原因となります。

 

ASDの“こだわり”とは

・決まった道順や時間通りの行動など、一定パターンに執着する

・好きな物に関する知識は膨大に記憶する

・逆に興味のないことに関しては全く関心を示さない

・触った感覚や音などに敏感に反応する

・又は、鈍感すぎてわからない感覚もある

・一つの持ち物や服装にこだわる

などです。

 

決まったパターンが守られない時や、大きな音や高い音などでパニックを起こしてしまうこともあります。

 

注意欠陥多動障害(ADHD)

文部科学省はADHDの定義を「年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすもの」と、しています。

ADHDには「不注意」「多動性」「衝動性」という3つの特徴があります。

現在の診断基準では、この3つの症状が

 

・12歳より前から症状が認められること

・2つ以上の状況(学校と家庭、など)で見られること

・通常の生活や仕事に困難をきたす程度

 

となっています。

ADHDは3つの特徴の現れ方によって、3パターンに分かれます。

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不注意優勢型

注意欠如障害(ADD)と呼ばれることもあります。

不注意優勢型ADHDには以下の特徴が見られます。

 

・出かけると必ずと言っていい程忘れ物をする

・失くしものが多く、いつも何かを探している

・片付け、整理整頓ができず部屋の中がゴチャゴチャ

・苦手なことや、やらなくてはいけないことなどを先送りにしてしまう

・気が変わりやすく、何か始めても途中でやめてしまう

 

不注意なミスをしてしまうことは通常の定型発達の人でもあるかとは思いますが、ADHDの不注意の特徴となるのはその頻度です。

不注意だけに焦点を当てると、ADHDを定義するのはなかなか難しいです。

 

多動や衝動がない不注意型ADHDの場合は特に、専門の医師でも診断は難しいです。

不注意優勢型だと一見落ち着いているように見えますが、実は頭の中は多動であるとよく言われます。

いつも頭の中で色々なことをゴチャゴチャ考えているため、大事なことでもすぐに忘れてしまったり、作業の途中でも違うことを考え始めてしまいます。

 

多動・衝動優勢型

多動・衝動優勢型ADHDの特徴は以下の通りです。

 

・落ち着きがなく、授業中や会議中などじっとしているのが苦手

・ちょっとしたことでもカッとなるなど感情が抑えられない

・思ったことをすぐ口に出してしまう

・相手の話を遮って話続けてしまう

・待つのが苦手で、思いついたことは即行動する

 

ボーっとして見られる不注意型とは逆に、いつでもせかせかと動いているのが多動・衝動型ADHDの特徴です。

相手の話を遮ってしまったり、思ったことをそのまま言ってしまったりという所はASDの特徴と似ています。

ASDはなぜそれがいけないのかわからなくてやってしまうのですが、ADHDの場合はよくないとはわかっているけれど自分のしたい気持ちを抑えられない、という内面の違いがあります。

 

混合型

混合型ADHDは不注意、多動、衝動の全ての特性を併せ持っています。

 

・忘れ物、失くしものが多い

・落ち着きがなくいつもソワソワしている

・飽き性で、手をつけても中途半端に終わることが多い

・ルールや順番を守るのが苦手

 

学習障害(LD)

文部科学省による学習障害の定義は「学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すもの」となっています。

学習障害は読字障害(ディスレクシア)、書字表出障害(ディスグラフィア)、算数障害(ディスカリキュリア)の3種類に主に分けられます。

 

僕もLDを持っていて、読字障害にあたります。

字が読めないと言っても視力が悪いわけではないですし、パソコンのディスプレイに映し出された字は比較的読みやすいです。

 

一番見えにくいのは黒板にチョークで書かれた文字で、読もうとするとどうしてもぼやけたり回転するように見えて、読むのに時間がかかりました。

けれど全く読めないわけではないので、周囲の大人には授業中はやる気がないだけと捉えられていたようです。

全般的な知能には問題がないだけに、こうした「やる気がない」「サボっている」という誤解を受けがちなのも学習障害の特徴です。

 

発達障害に理解を

よく、発達障害者は自分を異星人に例えることがあります。

周りのみんなは違う星の人であるかのように、定型発達の人の考え方や気持ちが理解できないということです。

 

「なんでこんなこともできないの?」「努力すればできる」と言われてしまうことも多いですが、そもそも脳の作りが違うので、定型発達の人と同じやり方や考え方はできないんです。

自分でも「どうしてみんなができることが自分だけできないのか」「努力してもできないなんて、自分はダメ人間なのではないか」と苦しんでいる人はたくさんいます。

 

あの人は何か自分と考え方が違うと思ったり、また自分がどこか周りの人とは違うと考えたことのある人は、今回の発達障害の定義に沿って一度考えてみてもらえたらと思います。

それが、お互いに理解を深める手助けとなれたら嬉しいです。


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