発達障害の就職は障害者枠がぜったいおすすめ!就活事情の厳しさ
発達障害があると、就職が難しく、就職できたとしても、長続きしない人が多いのが現状です。
僕も大学のとき就職活動しましたが、けっきょくどこにも拾ってもらえず、就職浪人ということでプーになった時期がありました。
日本学生支援機構のデータによると、発達障害の学生のうち、卒業と同時に就職できたのは、わずか4人中1人だったということです。
なぜ、こんなに発達障害の就職は厳しいのでしょうか?
今回は、発達障害の就職事情と、一般枠と障害者枠について、就職できないのはなぜなのか?についてご紹介します。
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発達障害の就職事情
仕事をするならほとんどの人が、正社員を希望します。
正社員は税金で優遇され、福利厚生までついていて、安定したお給料をもらうことができます。
発達障害者も、9割の人が正社員で働くことを望んでいます。
しかし、じっさいにはどのような雇用形態なのかというと、ほとんどの場合、入社時に正社員での雇用はないのが現状です。
正社員を希望していてじっさいに雇用された種類
1位 86% 契約社員
2位 6% 正社員
3位 7% パート・アルバイト
4位 1% トライアル雇用
じつに86%という、大部分の発達障害者が、契約社員でしか入社できていません。
契約社員として入社して、その後働きが認められればステップアップして正社員になれることもありますが、最初の窓口は狭き門となっています。
ほとんどが契約社員
なぜこのように正社員の数が少ないのかというと、じつは、障害者雇用の枠の求人は、見てみるとほとんどの求人が契約社員の募集となっています。
契約社員の数に対して、正社員の募集はほとんどありません。
会社側としては、「発達障害者を雇用してはみたいけれど、じっさいにどのくらい働けるのかが未知数」というところで、試験的に契約社員としている面があるようです。
また、正社員は求める仕事の量や質も高いレベルになりますが、契約社員だとそこまで求めないというのも背景にあります。
ここが求める側と探す側のアンバランスを生み出していると思います。
会社側は、「発達障害者の様子を見ながら、しかも安い賃金で雇いたい」という思惑と、発達障害者の「正社員で仕事には就きたい。でも仕事ができるか不安だし、そもそも求人がないので仕方ない」という気持ちから、このようなデータになるのだと思います
発達障害の就職率は4分の1
日本学生支援機構が、発達障害の就職について、全国の大学、短大、専門学校1220校を対象に、大規模な調査を行いました。
1220校に所属する学生のうち、発達障害と診断されたのは1064人でした。
そしてこの発達障害の1064人を対象に、大学卒業後の就職率を調査したところ、就職率は25%という結果がでました。
4人に1人しか就職できていないという、厳しい結果がたたきつけられました。
窓口からしてこれほど少ないのに、発達障害の一般枠での定着率も4分の1をふくめると、卒業後仕事を続けられている人はうんと少ないということです。
グループディスカッションで落とされてしまう
なぜここまで就職率が低いのかというと、そこには発達障害にとって高い壁がありました。
それは、大学生の就職のさい避けて通れない、グループディスカッションです。
学生同士でテーマに沿った意見を出し合い、人の意見を聞き入れながらも、自分の意見を主張して、うまくまとめあげていくという点を、さいきんの企業側は重視しています。
つまり、コミュニケーション力が高く、リーダーシップを発揮できる学生を求めているということですね。
このような役割はとうてい発達障害には不向きで、この時点で落とされることが決まってしまいます。
企業側がこのような能力を重視している現代では、発達障害にとって就職はとても不利な状況というわけです。
就職は一般枠と障害者雇用枠はどっちがいい?
発達障害の就職で悩むのが、一般枠と障害者枠のどちらで応募しようかという点です。
僕はADHDとLD学習障害の2つを併発している発達障害ですが、そのせいで仕事ではミスを連発し、できないことがあったりと、クビになって職を転々とする時期がありました。
転職を繰り返していた時期は、発達障害のことは隠して、一般枠で入社していました。
まだ障碍者手帳ももっていませんでしたしね。
結論をいうと、ぜったいに障害者枠で入社したほうがいいです。
今の仕事をもう5年続けられて、契約社員から入って正社員になり、給与アップできたのも、障害者枠で入ったこそできたことだと思います。
それでは、どのようなメリットデメリットがあるのかを考えてみましょう。
障害者雇用枠のメリット
・解雇基準がとても厳しいのでクビにされずらい
・障害の特徴にあわせた仕事ができるよう配慮してもらえる
・障害のことを隠さなくいいので、ストレスが軽減される
・病院にかかるためのお休みがとれる
・病欠しやすい
・障碍者雇用がある会社は大企業が多く、業績が安定している会社なため、倒産する心配がない
・残業がほとんどない。就労時間が短い会社もある
障害者雇用枠のデメリット
・一般枠より平均給与が低い。障害者枠の平均給与は180万円ほど
・職種の幅がせまく、限られている
・簡単な仕事しかできず、技能の取得やキャリアアップが難しい
・昇給がほとんどない
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発達障害者が一般枠で就職したときの定着率の低さ
障害者雇用枠のメリットとデメリットがありますが、メリットとデメリットは、常に表裏一体です。
障害者枠で入社すれば、お給料が高くないぶん、責任や高い能力を求められる仕事はしなくてすみ、安定して長年勤めることができます。
それでも仕事をするからには給料だろう!と考えるのはとうぜんです。
僕もその考えが捨てきれずに、30歳になるまでは一般枠で受かってはクビになってを繰り返しましたから。
しかし、ハローワークのデータによると、障害を隠したまま一般枠クローズドで入社して、その後会社に定着できた割合は、わずか25%ほどとなっています。
4人中1人しか仕事が続いていないんですね。
逆に、発達障害者が障害者枠でオープンに就職した場合、定着率は75%と、飛躍的にのびています。
障害をかくして無理に就職し、その後辛くなって、精神をすりへらし、転職を繰り返すより、障害者枠を使ったほうがいいと思うんです。
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発達障害の多い就職先職種
ハローワークの障害者枠で応募されている企業は、以下の職種が多いです。
・清掃業
・洗車、カークリーニング
・洗濯
・製造、組み立て作業
・マッサージ
・タクシー
・トラックドライバー
・工場内作業
・データ入力
・物流センター
・受付
・事務補助
・警備員
・調理スタッフ
・交通誘導警備
・精肉製造・加工
・青果製造・加工
・加工食品のピッキング
専門職などは限られていますが、マッサージなどは、仕事を続けていくうちに資格をとれば、どこに行っても通用できますね。
もっとも多い就職先は、募集している数の多い清掃業です。
清掃業は発達障害にもイメージしやすいぶんとっつきやすく、こだわりが強い発達障害には、汚れを落とすという作業に集中することは向いていると思います。
ほかにもIT関連やプログラマー、デザイナーなどの募集も少数ですがあるので、まずは興味があるものから始めてみるといいですね。
発達障害で就職できない悩み
僕は30歳になるまで発達障害であることを隠して、一般枠で就職活動をしていましたが、面接で落とされることがほとんどでした。
高望みしているわけでもないのに、30社連続で不採用だったときは、さすがに落ち込みました。
発達障害が一般枠で就職できないのは、やはり普通とは違う点を、採用の時点で見抜かれることにあります。
・会話のキャッチボールが下手なので、質問に的確に答えられない
・体をゆすってしまったり、落ち着きなくみられる
・相手の目を見るのが苦手なので、どこか上の空の印象を与えてしまう
・集団面接の場合、人の話を聞くときの挙動がおかしい
このような言動がみられるため、不採用になってしまいます。
もっとも重要なのは、質問に的確に答えられず、面接官が欲しい人材ではないと思わせてしまうことでしょう。
普通の人でも就職が難しい時代
いまは就職難の時代で、障害がない人でも何十社も落ちたなど、就職することは難しくなっています。
そのため就職活動している人のほとんどが、採用してもらうために資格を取得して、面接対応をまなびスキルアップをしています。
そんな高いレベルの争いに、発達障害者がついていくことは難しいと思います。
僕は誰でも入社できると噂されていた営業の会社にすら落ちたことがあるので、そのとき一般枠での就職活動に見切りをつけました。
やりたい仕事がある、入りたい会社があるなら挑戦を続けてももちろんいいのですが、生活と自立のために、障害者枠での就職活動も視野にいれたほうが将来のためになると思います。
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