発達障害の偏食チェックリスト。タイプに合わせたレシピと改善方法
発達障害の症状のひとつ、偏食があります。
ただたんにまずいから食べられないという我儘ではなく、最近の研究では、ほんとうにその触感や気持ち悪さから食べられないことがわかってきました。
今回は、なぜ発達障害は偏食してしまうのかの原因と、どうやったら食べれるようになるのかのポイント、レシピをご紹介します。
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発達障害の半数以上に偏食がある
発達障害者の半数以上に、偏食があることが調査でわかりました。
偏食であることは、いままで単なるわがままだと思われていましたが、東京学芸大学の髙橋智教授の研究で、わがままではないことが分かりました。
発達障害の症状のひとつに、感覚が敏感であるというものがあります。
これは食べ物に対しても感覚が敏感で、普通の人が普通に食べれるものに対して、過剰に反応してしまうということがわかりました。
・ピーマンやニンジンなど、単色の食べ物が怖く感じる
・イチゴなど、表面がツブツブした食べ物は気持ち悪く感じる
・カレーや八宝菜など、たくさんの食材が入っている料理の触感が苦手
・ポテトチップやコロッケなど、固くてイガイガしたものを食べると痛みを感じる
・慣れたものしか食べず、新しい食材を怖く感じる
・食べ物を食べるときの咀嚼音がうるさい、不快で食べれない
・食材の触感そのものが苦手で、プラスチックを食べたような味に感じる
大人になっても食べられない物
発達障害でも、年齢があがるにつれて食べられる物は多くなっていくケースが多いです。
しかし、以下のようなことがあると、食べられない食べ物が増えてしまいます。
・親が無理に食べさせようとする
・先生が居残りさせてまで給食を食べさせようとする
・最初たべたときに、まずい、汚い、痛いと強烈な印象を残してしまった食べ物
・食べられない物を食べようと、努力をまったくしない
まず、食べられない物は理由があって食べられないので、強引に食べさせようとするとかえって逆効果になります。
僕は3年生のときの先生が、「野菜も食べなさい!」という先生だったので、居残りして給食を食べさせられたことがありました。
きゅうりの春雨のサラダでしたが、食べられないし、友達と外にも遊びに行けないので、しくしく泣いていた記憶があります。
その記憶から、今でもきゅうりは目にするだけで気分が悪くなります。
大人になっても偏食家
食べ物を見るとこのような感覚過敏をおこしてしまい、それで食べ物が食べられなくなってしまいます。
僕もこのような偏食があり、大人になったいまではだいぶ食べれるようになりましたが、こどもの頃はそれはもう酷かったそうです。
ふりかけご飯、麺類、豆腐、トマトしか食べないという極端さで、ほかの食べ物は一切食べなかったそうです。
学校の給食はもちろんほとんど食べられないので、母が学校に相談して、ふりかけを持参していたことを覚えています。
中学校にあがるころにはだいぶ改善されていたのですが、今でも周りからは偏食家と呼ばれるほどです。
まさかこの偏食が発達障害のせいであるとは思っていませんでした。
偏食を改善する方法
発達障害の困った偏食ですが、改善する方法あります。
こどものうちから改善するのがもっとも望ましいですが、大人になった今からでも改善する余地は十分にあります。
僕もいま偏食改善トレーニングを毎日じっせんしていて、食べられる食材が徐々に増えてきています。
去年は17種もの食べられなかった食べ物が食べられるようになりました。
職場である飲み会でも、からあげや枝豆などの定番メニューから、最近はやりのダッカルビなどが食べられるようになって嬉しいです。
それでは、発達障害の偏食の改善方法をご紹介します。
偏食3つのグループ
発達障害の偏食は、3つのグループにわかれます。
感覚で選ぶ
揚げ物やポテトチップなどのスナック菓子が好きな傾向がある。
食べ物を手で触って、独自の感覚で食べられるかどうか判断する。
食べ物の刺激に強く、味付けが濃い物や辛みがある刺激物が好きな傾向がある。
形態で判断する
サイコロ状に切った食べ物、ポテトフライのように細長い形状のものなど、食べ物の形状で食べられるか判断するタイプ。
それぞれ好みの味付けがあるので、どんな食材でも形状にして好みの味付けにすれば食べられるものが増える。
いっぺんに食べるのではなく、少しずつ食べる傾向がある。
慣れた食べ物を食べる
小さい頃に食べたことがある食べ物、料理のみを食べるタイプ。
食べたことがない食べ物は、何が入っているか分からない、得体が知れないと恐怖を感じる。
どのグループになるかチェック
偏食タイプの3つのグループの、どれになるかを表でチェックしてみましょう。
「白いごはんが好き」に当てはまる場合は、「感覚・形態・慣れたもの」すべてにチェックを入れます。
「食材が混じりあった料理が苦手」に当てはまる場合は、「感覚・形態」にのみチェックを入れます。
当てはまらない項目のときは、チェックは入れません。
終わったら縦列ごとに集計して、質問項目数で割って、何パーセントだったかを割り出します。
もっとも多かったグループに所属しますが、2つのグループに当てはまる場合があります。
そのときは、どちらの改善方法も併用することになります。
参考 広島市西部こども療育センター食育研究会
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偏食改善レシピ
感覚で選ぶ場合のレシピ
食べられない食べ物を、食べられる物の触感にさせることがポイントです。
このタイプは、揚げ物やスナック菓子が好きな傾向があるので、「揚げる」ことが良い方法です。
・うどん→素揚げ→柔らかい素揚げ→炒める→最終的にゆでたうどん
・ごぼう、ニンジン、玉ねぎのサラダ→素揚げか衣をつけて揚げる→徐々に茹でたものを上げる→最終的にゆでるだけ
・カレー→春巻きにカレーを入れて揚げる→徐々に柔らかくあげる→最終的にカレーのみ
形状で選ぶ場合のレシピ
形状タイプは、まさに食べられる好きな食べ物の形状に合わせることがポイントです。
また、味付けの好みがあるので、醤油が好きならどんな料理でも醤油味にすることで食べやすくなります。
形状と味付けが分かりやすいように、料理や食材は細かく小皿に分けてよそうことがポイントです。
味付けが自分好みにできるように、好きな調味料をテーブルに置いておきましょう。
細切りが好きな場合
野菜サラダ→きゅうり、にんじん、レタス、ハム、トマト、すべて細切りにする
揚げ物→さつまいも、コロッケ、ナスの天ぷらなど、全て細切りにしてから揚げる
煮物→ジャガイモ、ピーマン、たまねぎ、お肉すべて細切りにする
細切りが好きな場合は、徐々に形状を大きくしていき、最終的に普通の大きさで食べられるようにすることが目標です。
慣れたものを食べる場合のレシピ
小さい頃から食べていた物なら食べられるタイプは、そのまま食べられる物を利用して、どんどん食べられる食材を増やしていきます。
ポテトサラダが好きだったら、その中に少量、食べられない食べ物を混ぜていきます。
かぼちゃが食べられるようになったら、かぼちゃサラダにするなどして、食べられる範囲を広げていきます。
煮物が好きな場合→好きな煮物に食べられない食べ物を混ぜる、食べられる食材で湯がいた食べ物
味噌汁が好きな場合→食べられない具材を1つ入れる
食べられる物を徐々に増やし、最終的には食べられる物がたくさんできるようにするのが目標です。
食べられるようになるポイント
食べ物を食べられるようになるポイントは、個人個人の特徴をみて、それぞれにあった方法を取り入れるべきです。
以下は、その一例になります。
・食器の変化に敏感な場合、すべての食器の材質、形を同じ食器で提供する
・形状に敏感な場合は、形状が分かりやすいように食器を別々にし、方向をそろえてきれいに盛り付ける
・たくさん入った料理が苦手な場合、じゃがいもはじゃがいもの場所、にんじんはにんじんの場所といったように、一か所にまとめてきれいに盛り付ける
・周囲の環境に敏感な場合は、ついたてを用いる
・スプーン一口ではなく、米粒一粒食べたら褒めるという、スモールステップを踏んでいく
・食器に少なくよそって、食べた達成感を味合わせる
・食事が食べられなくなるような、過剰なお菓子を与えない(幼児は100カロリーまで)
・いろいろな場所で、いろいろな人と食事をとると効果的な場合がある
嫌いな牛乳を飲めるようになった
僕は給食で出される、牛乳が大嫌いでした。
生ぬるくてどろっとしていて、喉に張り付くような気持ち悪い感触で、ずっと牛乳は飲めませんでした。
まだ僕の時代の学校は、水道を持っていくことが禁止されていて、遠足の時しか持っていくことはできませんでした。
そのため、夏はのどが渇き、あまりにも喉が渇いた夏、しょうがなく牛乳を飲みました。
そのとき、その牛乳が冷えていて飲みやすかったのか、「おいしい」と感じました。
一度おいしいと感じると、その後は抵抗感なくおいしく飲めるようになりました。
偏食は、なにかがきっかけでまずいと感じるようになりますが、温度や触感、食べ方の工夫をすれば治すことができると思います。
おすすめ本
発達障害の子どもが変わる食事 (青春新書INTELLIGENCE)
食事がある程度食べられるようになったら、今度は発達障害に良い食べ物を取り入れていきましょう。
発達障害者は健常者とくらべて、必要な栄養素が違います。
その違いを認識し、必要な栄養素をとっていくことが、発達障害の治療につながります。
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