発達障害でも結婚はできる!離婚と再婚を経験して分かったこと
発達障害だと、結婚に対して後ろ向きになって、結婚は諦めたほうがいい、しないほうがいいなどの意見を持っている人がいます。
しかし、僕は発達障害で、離婚と再婚を経験したからこそ、結婚はしたほうがいいと思っています。
発達障害だからといって、結婚は相手に負担をかけるだけのものではありません。
今回は、発達障害の結婚について、結婚できない理由や、結婚生活で注意することなどをご紹介します。
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多くの発達障害者は結婚している
発達障害だと結婚できない、してはいけないんだという意見をたまにききますが、じっさい、発達障害で結婚しているひとは数多くいます。
というのも、発達障害であるということを、本人が知らないので、検査していないケースが多いためです。
発達障害支援法は2005年に制定されて、それまではほとんどの人が知らない障害でした。
そこから徐々に認知度が広まり、若い世代を中心に、発達障害はよく知られる障害となりました。
しかし、まだ40代以上の世代はそれほど認知度は高くなく、名前は知っていても症状を理解していないケースが多いです。
そのため、夫婦で違和感を抱えていても、まさか自分の妻や夫が障害者であるということは、考えもしないケースが多くあります。
昔はお見合い時代だった
1970年ごろまでは、まだまだお見合い結婚が半数以上の時代で、決められた相手と結婚することが主流でした。
デートするにしても数回で、あまり人柄を知らないで結婚に至る人が多かったんですね。
そのため、発達障害でもボロを出さずに、気づかれなかったという点があります。
また、男性上位の社会風潮だったため、男性が女性に思いやりのない態度をとったり、酷い言葉を投げかけたとしても、それほどおかしくはない時代でした。
じつは発達障害かもしれない夫婦
・発達障害が認知されていなかった
・お見合い結婚が主流だった
という2点から、50代以上の夫婦は、どちらかが発達障害であるケースが多くみられます。
とくに発達障害は男性に多い傾向があるので、夫が自分の気持ちを理解してくれないというのは、アスペルガーの夫かもしれません。
発達障害は遺伝する確率も高く、ADHDなら15%ほどになります。
そのため、親がおかしいけど、じつは発達障害であったということがあります。
発達障害が結婚できない理由
昔は発達障害でも結婚できた、では今はどうかというと、発達障害は結婚しにくい風潮ができあがっていると思います。
・人の気持ちがわからないため
・コミュニケーションがうまくとれず、会話のキャッチボールができない
・発達障害の認知度が広まり、障害をどんなものか知る人が増えた
・片方が発達障害の夫婦の離婚率が高い(アスペルガーの場合は80%の離婚率)
・一方的にがまんを強いられる関係になると思われている
・発達障害に否定的な意見をもっている人が多い
・モラハラ傾向がある
・派遣社員やアルバイトなど、給与が低く安定しない場合が多い
・人とのつながりを避けようとする
このような結婚しにくい理由があると思います。
夫婦として、大事な会話のキャッチボールができないというのは致命的かもしれません。
とくに女性は会話を大切にするので、夫が発達障害だと、人の気持ちがわからないので、妻が求める会話ができずに、喧嘩してしまうことは目に見えています。
また、ふつうの人は喧嘩したらわかってくれますが、発達障害は喧嘩した意味がわからなかったり、同じことを何回も繰り返します。
その疲れや苛立ちが、夫婦を離婚へと向かわせてしまう背景にあるようです。
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1度離婚して再婚しました
僕自身はどうかというと、じつは1回離婚を経験していて、別の女性と再婚しています。
1回目の離婚は、やはり自分がADHDの自分勝手さに気が付かず、妻を精神的に追い詰めてしまったせいでした。
「あなたはいつも自分勝手で思いやりがなくて、人の気持ちを踏みにじる。
こんな生活はもう耐えられない、お願いだから離婚して」といわれ離婚しました。
すんなりとはいきませんでしたが、僕のせいで妻がうつ病になっていたので、離婚するしかありませんでした。
最初の離婚
最初の妻と結婚したときは、まだ自分がADHDであるとは分かっていませんでした。
そのため、障害者手帳ももたずに一般枠で就職をし仕事をしていましたが、遅刻を繰り返したり、重要な忘れ物をしたり、仕事でミスを連発したりと散々でした。
クビを言い渡されたことや、使用期間の打ち切りもありますし、仕事ができなさすぎて辞めたこともあります。
そんなつぎからつぎへ仕事を辞める僕を、妻は最初は労わってくれましたが、僕は嫌な態度をとっていたと思います。
「あなたはアスペルガー症候群か、ADHDという発達障害だと思う。一度病院へ行ってみよう」と言われたことがあります。
でも当時の僕は、自分が妻から障害者だといわれたことが腹正しく、悪態をついて病院にも行きませんでした。
結局その後、気になって一人で病院へ行くと、ADHDだと診断されました。
次第に夫婦で出かけることも少なくなり、離婚する1年前までは、話すこともほとんどありませんでした。
それでも、僕は妻から愛してもらっていると思っていたのですから不思議ですよね。
そんな夫婦としては終わっていた3年目、離婚を告げられました。
離婚した理由を妻に聞いてみた
離婚したあとは寂しくて辛かったのですが、数年後、また友達として再開できるようになりました。
そのとき元妻から、結婚していたとき何が嫌だったのかを聞きました。
・財布や携帯など大事な物でもそのへんにほいほい放り投げるのでどこに置いたかわからなくなるのがバカらしいと思っていた
・財布や携帯をすぐなくして買い替えるのが腹正しかった
・傘や帽子はしょっちゅうなくすのも嫌だった
・話しても上の空で聞いているところ
・思い付きで行動して、準備していないので失敗に終わったことが何度もあった
・何度言っても部屋を片付けてくれない。リビングまで汚くするのは耐えられなかった
・お風呂に4日連続で入らないのは汚すぎる
・いまだに中学生の服を着たりと、ファッションに興味がなさすぎる、幼すぎる
・衝動的で、場当たり的な発言で何度も傷つけられた
・光に敏感過ぎて、テレビのライトにさえガムテープを貼って光を遮断し、部屋を真っ暗にして寝るのが嫌だった
・音に敏感過ぎて、鼻をかむのさえ気を遣うのが疲れた
まあ出るわ出るわ。めちゃくちゃ不満があったようです。
ほとんどがADHDの特性からくる症状で、これほどまでに妻に負担をかけて、支障がでているとは思っていませんでした。
家に帰ってから反省し、覚えているぶんは書き留めて、もうこんな失敗は繰り返すまい!と心に誓いました。
新しい妻との結婚
離婚して3年後、5歳年上の新しい妻と結婚しました。
きっかけは山登りクラブで知り合った、趣味が同じ女性だったためです。
自分がADHDであること、離婚の理由を告げても、「あなたのそういう変なところはわかってたから、大丈夫」といって、結婚してくれました。
結婚生活は、元妻に言われたことに注意しながら、努力をして続けています。
「そんなに頑張らなくていいよ」といわれますが、頑張らなくてはいけないのが、ADHDの夫の務めだとおもっています。
以下が、ADHDの夫としての問題を改善している方法です。
結婚生活で改善したこと
・財布や携帯、傘をなくす→離れたらアラームが鳴る「探し物発見器」で忘れ物、なくし物を防ぐ
キーファインダーで、鍵や財布、携帯などあらゆるものにこれをつけて、なくすと音が出るようにしています。
これで傘や帽子も外出先でなくさなくなったので助かりました。
・会話中、上の空→恋愛の先生、ジョングレイの「ベストパートナーになるために」「ベストフレンドベストカップル」を読んで、女性の気持ちを理解するように努めています
・思い付きで行動する→休みの日は何をするかは二人で決めるようにした
・部屋を片付けない→ルンバを導入して、とりあえず床はきれいにした。物を少なくする努力中
・風呂に入らない→風呂には毎日入る!
・ファッションセンスなさすぎ→妻に服を買ってもらい、それを着る
・傷つける発言をする→気を付けてはいますが、自信はないかも・・・
・光、音に敏感→寝室はわけて寝るようにしました
このような工夫をして、妻に負担をかけないようにしているつもりです。
完璧な夫ではありませんが、ADHDでも、努力と工夫さえすれば、それなりに快適に暮らせると信じています。
あとたまに、奥さんに「不満はない?」と聞いたほうがいいですね。
不満があればそれを改善して、不満を改善する努力をみせることが、女性の心にはひびきます。
「結婚は諦めた」という発達障害の人へ
「結婚は諦めました」「結婚なんて、発達障害はしないほうがいい」と、発達障害に関することを検索すると出てきます。
僕は同じ発達障害のADHDとして、それは悲しいと思います。
もちろん、結婚しない幸せをつかむのは自由ですが、結婚したいと思っているのに、しないと諦めるのは不幸です。
発達障害はたしかに相手に負担をかけて、人の気持ちがわからずに、傷つける行動をとることもよくあります。
それでも、人間と人間とのかかわりには、寄りかかられたり、傷つけられたりというのは誰にでもあることです。
それを乗り越えていくのが人間であり、愛情であると思います。
うまくは言えませんが、僕は離婚と再婚を経験して、やっぱり、「ADHDだけど結婚してよかった」と思います。
それはADHDの自分を成長させてくれるものであり、また妻という人間を、少しは自分といることで幸せにできていると思えるからだと思います。
発達障害で悩んでいる人も、相手に負担をかけることばかりを恐れずに、自分の成長を信じて、愛情を信じて前向きになって欲しいと思っています。
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