発達障害と不登校には根深い関連がある!学校に行くべきか?について
不登校は一時期減少していましたが、現在は横ばいで、不登校は必ず一定数でてしまうという、どの学校でも定着状態にあります。
これの一つの要因は、不登校児のなかには、発達障害をかかえているこどもが多いのではないかという指摘があります。
じっさい、ぼくも発達障害が原因で不登校になり、大切な時期を有意義にすごすことができませんでした。
今回は、発達障害と不登校の関連について、学校には無理してでも行くべきなのか?ということを、データから僕なりに分析し、ご紹介します。
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発達障害の不登校のデータ
不登校の割合をみてみましょう。
・小学校で1000人あたり2.9人
・中学校で1000人あたり27.4人
・高校で1000人あたり7.3人
となっています。
高校は中退や休学があるので、これが正しい数字ではありません。
この不登校をしているこどもの内、発達障害が疑われる割合は8%~16パーセントという結果がでました。
多くても2割ということで、数字としては低いように思います。
これは専門家のお医者さんが診断した結果ではなく、あくまでも先生が疑いがあると判断しただけのデータで、じっさいはこの割合はもっと高いのではないかといわれています。
また、性別でみてみると、男の子のほうが発達障害の割合が高くなっています。
小学校で10:1、中学校で3:1となります。
全体的に発達障害は男性に多くみられますが、女性の発達障害は気が付きにくく、埋もれていて発見しずらいという特徴もあります。
不登校が定着している
国も不登校をなくそうと対策をしていますが、不登校はだれにでも起きるものとされ、強引に登校させようとする施策は1995年ごろから減ってきました。
不登校自体はある程度減少しても、ある一定の数値からはどうしても減らない、その不登校が定着化した状態を「不登校の常態化」といわれています。
そしてその不登校が減らない理由は、発達障害の子どもにあるのでないかといわれています。
発達障害を抱える子どもは周りとコミュニケーションをとりずらく、勉強についていけないことも多いため、不登校になりがちです。
ぼくの不登校のきっかけも、学習障害の症状である黒板の文字が読めないため、勉強についていけない。
それで頭の悪さを友達にからかわれ、学校に行きたくなくなったというのが主な原因です。
小学5年生~中学生の不登校は根深い問題に
小学5年生~中学生までは、不登校はとくに注意しなければいけない時期です。
小学5年生から人は親以外の人と親密な関係をきずくため、友達を作り、周りの人のことを考えながら、自分という人は何なのか?という自己形成をしていく大切な時期にはいります。
そのため、この時期に不登校になり同年代のこどもや多くの人に触れないと、人との関係を築くことが困難になってしまいます。
しかし、この時期に周りにバカにされたり、いじめを受けてしまうと、外傷性記憶として深く脳にきざまれ、トラウマになってしまうことがあります。
自己評価が低くなり、大人になってからも自信を取り戻すのは大変な努力が必要になります。
知能が高いほうが不登校になりやすい
不登校になりやすいのは、じつは知的障害がない人のほうが高い割合というデータがあります。
広汎性発達障害(PDD)の場合、高機能PDDのほうが不登校になる確率は高いのです。
これは意外な結果に感じるかもしれませんが、ぼくから言わせると当然の結果です。
発達障害だけれど知的障害はなく、むしろ知能は高く勉強はできる。
それなのに、普通のコミュニケーションがとれない、一部の教科だけ点数が低いというだけで、周りからバカにされたり無視されるんです。
そして頭が良いため、バカにされることをはっきりと感じるため、学校にいずらくなり、行きたくなくなってしまうんです。
アスペルガーやADHDなどは勉強もできるため、発達障害であるという発見がおくれ、「自分はなんで周りと違うんだろう」と大人になってからも思い悩み、問題を抱えたままになるケースが目立ちます。
不登校は発達障害の二次障害
上記のような理由から、不登校は発達障害の二次障害として考えられる、という意見があります。
ぼくもこれには同じ気持ちです。
不登校が問題なのではなく、発達障害を理解し、サポートしきれていない学校側の体制、親の認識の甘さが問題なのだと思います。
学校と親の理解が深まり、サポート体制が確立されないままでは、不登校が減ることはないでしょう。
不登校から復帰できた割合
発達障害のこどもが不登校から、また学校の教室に通えるようになった割合は、5~10%となっています。
とても少なく感じますが、じつは保健室などの教室以外に通えるようになったこどもは50%という高い結果になっています。
まったく学校に登校できない割合は35%ほどになっています。
このことから、発達障害の不登校児は、「学校に行って勉強したいという意思はあり、可能な場所があったら学校へ行きたい」ということです。
決してグレたわけでも、勉強したくないわけではないんですね。
たくさんの思春期の同世代のなかで、一つの型にはまらなければいけない学校という集団生活の場所は、発達障害をかかえているこどもにとっては狭すぎる場所なのだと思います。
発達障害の不登校は長引く
発達障害の不登校は長引くケースが目立ちます。
小学校、中学校で不登校から3か月未満という短期間で復帰できたのは、わずか25%ほどしかいません。
1年以上かかった割合は40%にもたっします。
これは、一度不登校になると、発達障害は変化することを恐れるので、このままの状態を維持させようとするためです。
こだわり行動が強いタイプも多く、起きる時間や昼食の時間、日々やることを細かくスケジュールとして組み立て、それに沿って行動しないと落ち着かないのです。
しかし、このこだわり行動は逆に学校へ行く場合にも応用できます。
一度学校へ登校する習慣をつけると、登校する習慣をこだわりたいと思い、登校し続けることができるケースもあります。
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発達障害で不登校になったら、学校なんて行かなくていいと思う
発達障害の不登校はねぶかい問題で、かんたんに解決することは難しいことがわかります。
では、不登校を解決するには、学校と親、そしてこども本人はどうすればいいのでしょうか?
ここからはぼくの個人的な意見ですが、学習障害とADHDをかかえて学生時代をすごした自分はこう思います。
「とにかく10代という貴重で取り返しがきかない時期を、ムダに過ごすな!
学校になんて行かなくてもいい。自分が行きたい、行ける場所を見つけて、自分の居場所を作れ。
そしてそこで自分ができる範囲で精一杯頑張って、いろんな人と接し、夢や希望を持とう」
ということです。
保健室で過ごした中学時代
ぼくは小さいころから周りのこどもとうまくいかず、一緒に遊ぶとなぜかだんだん友達が離れていきました。
今思えば、ぼくが公園のブランコを占領したり、友達のおもちゃで遊びたいという衝動が抑えられずに、無理やりうばって壊してしまうなどの行動があったからだと思います。
小学校高学年のあたりから本格的に違和感を感じ、そのときには学習障害LDも感じていました。
だって先生が黒板に書いた文字が三重に見えて、文字が回転しはじめて、とても読めたものではないんです。
耳で聞くことはできますが、自分の字で書いた文字でさえ読めずにノートはめちゃくちゃ、勉強の意味は理解できるのに、成績は悪かったです。
こんな状態で中学校へ進学し、それがまた10クラス以上あるマンモス中学だったんですが、ここでつまずきました。
小学校時代の友達がクラスに1人もいなくて、新しい友達が作れずに浮いてしまったんです。
いじめを受けることは幸いなかったですが、それでも学校へ行くことが苦痛になり、じょじょに欠席が増えて、ついに中学校1年生の夏休みをさかいに、学校へ行けなくなりました。
夏休みあけの始業式の日、いつものように家を出たんですが、どうしても学校へ行けずに、知らない街に歩いていきました。
歩きすぎて帰り道がわからなくなり、家に帰りついたのは20時を回っていて、家には担任の先生や校長先生、泣いている母がいました。
とても怒られましたが、両親もぼくの気持ちを理解してくれて、その日から「学校へ行きたくなるまで、無理していかなくていいよ」と言ってくれました。
それからは家で過ごし、けっきょく2年生の9月ほどから、保健室に通うようになりました。
3年生になってたまに教室で授業を受けることもあったものの、ほとんどは保健室で過ごしていました。
大人になった今でも残る傷
保健室ではぼくと同じような問題を抱えた友達がいましたが、それでもぼくはこの時期のことをとてももったいなく感じています。
中学生という時代は、大人になったいまだから分かりますが、心の根っこの部分に深く残ります。
あの暗い時代の記憶が、夢でよみがえり、35歳になって結婚もしてこどももいるおっさんの自分に、今でも語りかけてくるんです。
「お前はなにもできないやつだ。頭も悪くて、友達もいないんだからな」
夢のなかのぼくはずっと中学の制服を着て、成長しないままの姿です。
何が好きで嫌いかを見つけよう
だからこそ、10代の発達障害を抱えていて、同じような悩みや問題をかかえている人にいいたい。
「悩んでいい、自分をだめなやつだと思ってていい、とにかく自分を助けてくれる人のところに行け!」
あなたを助けてくれる人はいます。
代表的なのはフリースクールやサポートスクールですね。自由に登校できて勉強ができ、同じ学校にいけないこどもがたくさんいます。
不登校や発達障害に理解があり、詳しいひとたちがサポートしてくれて、学校では得られなかった楽しいことを発見できます。
フリースクールではなくても、なんでもいいんです。
自分が好きだと思える演劇の世界や、スノボーの世界、株式の世界へ飛び込んだって、なんだってできるんです。
これは大切な時期を遊んで勉強をせずにすごせばいい、ということではないんです。
「目標とできる人を見つけ、自分が好きなのか、何が嫌いなのか、何をしてみたいかを見つける時間にしよう」ということを言いたいんです。
それが学校で教える数学や国語でなくていいと思うんです。
いまの自分、そして将来の自分が楽しく、自分の力で生きていける力をつける基礎をみがくのが、中学校の時間は大事だと思います。
大人に頼ろう
大事なのは、こどもと大人の中間という時期には、大人の助けが必要だということです。
自分ひとりではどうすることもできないことも、正しい道へ導いてくれる、目標となる人がそばにいればまったく違う人生になります。
一人で悩まずに、人との交流を怖がらずに、自分の居場所を見つけてみましょう。
それが、ぼくが発達障害をかかえる不登校のこどもに、必要なことだと思います。
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