発達障害で生きていく。

ADHD優位のアスペルガーで、LD学習障害もある35歳のおっさんです。息子も遺伝して発達障害です。文献を読み漁り、発達障害は限りなく完治に近い、治すことができると確信しました。このサイトは、治す情報など、発達障害のさまざまな情報を発信していきます。

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発達障害の中学受験について考える。メリットデメリットの比較

   

学歴社会の日本では、中学受験はいまや都市部では5人に1人が受けています。

そんなメジャーとなっている中学受験を、発達障害でも受けさせるべきなのでしょうか?

 

中学受験はふつうのこどもでも難題で、いざ私立にはいっても長い授業時間や膨大なカリキュラムなど、ハイレベルな勉強が待っています。

今回は、発達障害で中学受験をするということについて、そのメリットデメリット、実際行くとどうなるのかを検討します。

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発達障害で私立中学校に行くメリット

・スケジュールがぎっしり詰まっているので、横道にそれる時間がない

・部活動がさかんなので、長所をのばせる

・中高一貫コースなので、高校受験がない

・カウンセラー在中など、公立より支援を受けられる場合がある

・周りの意識がたかいので、引っ張っていってくれる

・自由な校風の市立中学校はなじみやすい可能性がある

・中学受験をするので、ゲームなど遊びの時間が少なくなる

・IQが高い場合、学力という長所を発揮し、伸ばしていける場所になる

・就職に有利にはたらく

・私立は提出物や忘れ物などの内申がなく、テストの点数重視なので、忘れ物が多い発達障害向きである

・個性を重視する私立は、少人数体制のクラスで、担任が2人いるなどの配慮がある

・授業についていけない場合、補習が充実している

 

発達障害で私立中学校に行くデメリット

・スケジュールがぎっしり詰まっているので、課題をこなせない恐れがある

・授業のレベルがたかすぎて、ついていけない可能性がある

・学費が高い、公立中学校は授業料無償だが、私立は年間平均60万以上かかる

・学校側は進学率重視なので、発達障害のこどもを邪魔者あつかいする教師や学校がある

・自由な校風の市立中学校は、自由すぎて何をしていいのかわからなくなる場合がある

・中学受験の大変さや、入学してもカリキュラムの大変さから、発達障害の症状が悪化し、ストレスによる二次障害を引き起こしやすくなる

・発達障害は能力の凹凸があるので、できる教科とできない教科の差が激しくなる場合がある

・いじめがある、授業についていけない、不登校になった場合など、公立に転校する可能性がある

・スケジュールに追いつめられると、パニックになることがある

 

選択するうえで大事なこと

私立中学校のメリット、デメリットを比べてみましたが、長所となる側面もあれば、同時に短所となる側面をもっているものが多く、そのこ次第になる場合が多いです。

ただ、僕自身は発達障害は「障害」ではなく「ユニークな個性であり才能である」と思っています。

それは、「発達障害の天才たちのエピソード。才能が開花する3つのポイント」にも書いています。

 

そのため、中学受験をするかという選択は、そのこがどうしたいと思っているか、そのこの才能を伸ばせる場所はどこなのか、という点を重視するべきだと思います。

そういうと、レベルの高い私立にすればいいと思うかもしれませんが、発達障害の場合はそう簡単ではありません。

 

じっさいに、発達障害のこどもが私立に入学すると、7割ほどのこどもに、「困難な面がある」という回答があります。

それは公立でも生じる問題かもしれませんが、カリキュラムの大変さだったり、学校の方針だったりと、やはり成長の遅い発達障害にはついていけない面があります。

 

本人の個性、成長を重視する

中学受験をするかどうか、選択する、それはやはり、「本人の個性、成長を重視する」という点だと思います。

中学受験を本人がしてみたいというなら、まずは塾に通わせて、塾の授業と宿題についていけるかどうか様子を見ましょう。

ついていけて、やる気があるようだったら、私立を目指してみていいと思います。

 

そこから私立に入学して、できるかできないかは、誰にもわからないことです。

それは公立に行っても、私立に行っても抱える問題かもしれません。

 

本人がやりたい意思と中学受験という難関をとっぱした能力とやる気があれば、私立中学校でやっていくのは、不可能ではありません。

その可能性にかけてみるのは、親として立派なことだと思います。

 

逃げ道を用意してあげる

中学受験、私立に入学するにあたって、ひとつ考えて欲しいことがあります。

それは、「逃げ道」を用意するということです。

 

頑張って私立に入っても、そこはやはり高い壁で、つまずいてしまうかもしれません。

そんなとき、不登校になったり、反抗したりするときは、「いいんだよ、帰っておいで」と言ってほしいんです。

もう学校には行かなくていい、ゆっくり傷ついた気持ちを治して、そこからまた何をしたいか考えればいいんだと、包み込む気持ちを持っていてください。

 

僕は不登校を経験しましたが、そのことは「発達障害と不登校には根深い関連がある!学校に行くべきか?について」に書いています。

発達障害にとって中学受験は高い壁であり、先が見えない未来です。

「逃げるは恥だが、役に立つ」という言葉がありますが、その言葉をどうか覚えていてください。

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私立中学校に入学してからじっさいのケース

良いケースの場合

公立でも問題は起きるから、私立で能力を伸ばしてやっては?

発達障害と診断され、中学受験に悩んでいましたが、お医者さんに「公立でも私立でも、問題はおきる。それなら能力を伸ばしてやる選択をしてはどうですか」と言われて、中学受験することに決めました。

周りとコミュニケーションをとるのが下手で、嫌なことがあると泣きわめくということがありましたが、IQが高いので、私立ならっと思ってのことです。

 

勉強はできるため、小学校の授業はかんたんすぎたようで、問題を解くとほかのこにちょっかいを出しては怒られることを繰り返していました。

その問題を解決するためにも、難しい私立でヒマを持て余す時間がないほうが、この子のためになると思いました。

 

私立を選ぶときは、説明会にいき、個人的にお話を聞いたりして、カウンセラー制度が充実している学校に決めました。

入学してからは、授業料が通常の1.3倍で宿題も山盛りで、補修の毎日で、「こんな学校入りたくなかった!」と暴れられる毎日でした。

半年ほどしてから学校に慣れたのかパニックもなくなり、反抗期を過ぎたあたりから発達障害の症状も落ち着き、3年生のいまでは楽しそうに学校に通っています。

 

全力でサポート

息子は発達障害と診断され、いまは高校生になっています。

公立と私立、どちらがよかったかというと、どちらかと言えば私立に行かせてよかったと思っています。

友達のことを気にするタイプのこなので、しっかりしているこが多い分、勉強を頑張ってくれるメリットはありました。

ただ、中学受験は壮絶でした。

 

膨大な宿題の量とテストをサポートしなければならないので、わたしと夫で全力でサポートして、なんとか合格できました。

中学時代もサポートは必須でした。

 

しかし、2年生になったころから急にできなかったことができるようになり、発達障害が軽くなった時期がありました。

そこからはほとんどサポートいらずで、成績ものびていったので、そうなるなら私立でよかったと思っています。

 

悪いケースの場合

半年で退学

発達障害でADDの判定を受けた息子がいる母親です。

結果的には、わずか半年で公立に転入することになりました。

中学受験は家庭教師で、1対1の万全なサポートをしてもらっていて、勉強面では私立に合格することができました。

 

しかし、集団行動が苦手で、友達とのいざこざでパニックになって暴れまわったり、奇声を発するということがありました。

わたしも何度か学校に呼ばれ面談しましたが、本人がだんだんふさぎ込んでしまい、自主退学という形になりました。

いま思うのは、中学受験のときに、あわなくても集団で塾を受けられるようにしていればよかったと思います。

 

もし塾ができないようなら、中学受験はあきらめて、公立に行かせていました。

退学するというのは、親にとってもこどもにとってもショックなことです。

私立の雰囲気に慣れないばあいは、公立のほうがいいと思います。


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